アクシデントが続くも、古河一が水戸桜ノ牧をPK戦の末に下し関東大会出場権を獲得

水戸桜ノ牧 vs 古河一(写真=矢島公彦)

 令和3年度関東高校サッカー大会予選も各地で大詰めを迎える中、茨城予選も関東大会出場校を決定する準決勝が行われた。準決勝は準々決勝で優勝候補の鹿島学園に3-1と勝利し、2008年以来13年ぶり3回目の関東大会出場へ挑む水戸桜ノ牧と、準々決勝で水戸葵陵に1-0と僅差で勝利し2018年以来3年ぶり16回目の関東大会出場を目指す古豪・古河一との対戦となった。

 試合は前半35分に古河一が先制するも、後半1分に水戸桜ノ牧が同点に追いつくと直後の後半4分にも加点し逆転に成功。しかし後半25分に古河一がPKで同点に追いつき2-2となり延長戦に入る。試合は延長戦でも決着がつかず、勝負の行方はPK戦にもつれ込む。PK戦は両校1本ずつ外すも古河一GK1船橋勇也が7本目をビッグセーブ。古河一がPK戦までもつれ込んだ激戦を制して、3年ぶりの関東大会出場を決めた。

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▽水戸桜ノ牧高校スターティングメンバー
GK17 舘野広大
DF2 安藤究
DF3 宮田瞬
DF4 関光樹
DF11 佐藤龍真
MF5 荒井泰智
MF6 山本知輝
MF8 石森颯吾
MF14 大和田歩夢
FW10 畑中流聖
FW12 辻村陽太

▽古河第一高校スターティングメンバー
GK1 船橋勇也
DF2 石川凛太
DF3 守谷優斗
DF5 中川剛
MF10 神坂葵生MF14 田中聡悟
MF18 萩野奎人
MF20 塚越優也
MF24 高野勇斗
FW13 前田陸斗
FW19 深野涼太

水戸桜ノ牧 vs 古河一(写真=矢島公彦)

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 試合前、古河一スタメン予定のGK12小林壮太がウオーミングアップ中に負傷し、急遽GK1船橋勇也がスタメン起用されるアクシデントの中、試合開始。試合は序盤から攻める古河一、守る水戸桜ノ牧という構図となった。古河一はFW13前田陸斗にボールを集めるも決定機を作れない。水戸桜ノ牧も前線にボールを送るものの古河一のディフェンスにことごとくクリアされる。

 前半28分、古河一はMF10神坂がゴール前でパスを受けループシュートを打つも、GK17舘野広大がパンチングで防ぐ。その後コーナーキックからMF24高野勇斗がシュートを放つもボールはゴールポスト上へ外れる。なかなかチャンスを決めきれなかった古河一であったが、前半35分に古河一DF2石川凛太が浮き球を前線に送るとMF18萩野奎人が見事なトラップからGKと1対1となりGKの動きを見て冷静なループシュートを決め、古河一が先制点を奪い古河一リードで前半終了。

 後半はキックオフ開始早々に水戸桜ノ牧MF5荒井泰智がMF11佐藤龍真にパスを送る。佐藤がドリブルで突破し後半から交代出場のFW13照沼圭へ浮き球のパスを送ると、反応した照沼のヘディングシュートがゴール右隅に決まり水戸桜ノ牧が後半1分に同点に追いつく。

 その後も水戸桜ノ牧の勢いは止まらず後半4分にFW10畑中流聖からMF11佐藤龍真にパスを送ると再びドリブル突破から浮き球のパスに今度はFW12辻村優太のヘディングシュートが決まり逆転に成功する。後半7分に古河一は3人同時に選手交代で反撃体制を取るも、後半15分、途中交代で出場したばかりのFW11梅山輝斗が相手GKと錯綜し、わずか3分で負傷交代を余儀なくされる。

 

 アクシデントが続く古河一であったが後半25分にペナルティーエリア内でMF7染谷大生が倒されPKを獲得すると、そのPKをMF7染谷が自ら冷静に決めて古河一が同点に追いつく。その後も古河一がコーナーキック、フリーキックとセットプレーからチャンスを作るも決めきれず、2-2で前後半が終了し、延長戦へと突入する。

 延長に入ると、両チームともチャンスを作るものの得点を奪うことができず試合はPK戦へともつれ込む。PK戦は古河一が先攻で開始。両校3本目まで成功するも古河一の4本目を水戸桜ノ牧GK17舘野広大が止める。しかし、後攻の水戸桜ノ牧の4本目もゴールポスト上に当たり再びドローとなる。その後両校5本目は成功しサドンデスへ突入。最後は後攻の水戸桜ノ牧の7本目を古河一GK1船橋勇也がビッグセーブし、試合終了。古河一がPK戦を6-5で制し、2018年以来16回目の関東大会出場を決めた。

 古河一は第1代表の座をかけ、準決勝を3-0の完封勝利で関東大会出場を決めた強豪・明秀日立と決勝を戦う。

(文・写真=矢島公彦)

▽令和3年度関東高校サッカー大会茨城予選
令和3年度関東高校サッカー大会茨城予選