徳島市立、四国学院大香川西との激闘を最後に制す

後半35分試合終了間際に徳島市立DF2稲川 陽友(2年)が決勝点のヘディングシュートを決める(写真=寺下友徳)

 コロナウイルス感染拡大防止のため、関係者・チームエントリー外の入場を禁ずる完全無観客で開催された「四国高等学校サッカー大会」。今回で男子は今回で第70回目の節目、女子は第9回となる大会は6月19日(土)~21日(月)に高知県高知市の高知県立春野運動公園内で開催された。 

 うち、6月19日(土)に陸上競技場で開催された男子の1回戦第1試合では徳島県1位の徳島市立と香川県2位の四国学院大学香川西が対戦した。今年のインターハイ予選については、すでに7大会連続19回目のインターハイ出場を決めている徳島市立に対し、四国学院大香川西は県決勝戦で尽誠学園の前に涙を呑んだ形。しかしながら、両校ともに数多くのJリーガーを輩出し、四国プリンスでも幾度となく対戦しているライバル対決は、激闘の二文字がふさわしい闘いとなった。

 スターティングシステムは徳島市立が「3-4-3」。1年生・安藝 誠一郎がゴールマウスを守り、2年生が占めた3バックはDFは右から2稲川 陽友、3花房 玲遠、4河合 慶侑馬。中盤は14織田 大翔・14日野 主義の2年生ダブルボランチに、サイドアタッカーは右に6柴田 侑茉(2年)、左に9佐藤 秀一(3年)。3トップはシャドー気味にキャプテンマークを巻く藤島 涼介(3年)と林 秀太(2年)が構え、頂点には1年生の笠原 風汰が入った。

 一方の四国学院大香川西は「4-3-3」。GKは17西山 大吾(3年)、4バックは右から5山西 憂斗(1年)、12中島 嘉人(2年)、キャプテンの3伊原 陽(3年)に13臺 隼人(23年)。中盤は6高橋 波悠(1年)をアンカーに、アタッカー右に14西垣 秀映(3年) 、左に8菊池 亜門(2年)を配置。そして3年生で組んだ3トップはシャドー気味に9山田 晃市(2年)、11伊藤 俊介(2年)。頂点に16千知岩 隼人(3年)という布陣となった。

勝利した徳島市立イレブン(写真=寺下友徳)

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試合内容は大半の時間で一進一退の攻防戦が続く。前半は徳島市立は柴田、佐藤のサイドアタックを有効に使い相手を揺さぶりにかかれば、四国学院大香川西は得意のカウンターで応戦。後半キックオフから四国学院大香川西はガンバ大阪ジュニアユース出身の1年生FW10田中 輝里十を投入。彼の高い推進力を用いて攻勢に出るが、徳島市立も差後の一戦は許さず。 

 こうしてスコアレズのまま試合もアディショナルタイムに入ろうかという土壇場。ついにスコアが動く。この時間帯に続けざまにCKを奪っていた徳島市立はCKからのセカンドボールを左サイドで拾った佐藤がマイナスのパスを織田へ。織田がペナルティーエリアにクロスを供給すると、頭で合わせたのは稲川。ボールは相手GK・DFを超え、バーをかすめるようにネットを揺らした。

かくして「どんな形でも勝つ」(河野 博幸監督)をモットーに掲げてきたこの代らしい1-0で四国学院大香川西を破った徳島市立。とはいえ「最後に決め切れなかった」と大浦 恭敬監督が悔しがった四国学院大香川西とのデュエルあふれる70分間は、四国高校サッカー界をけん引する両巨頭の矜持に満ちた見ごたえあるものだった。

(文・写真=寺下友徳)

▽令和3年度四国高等学校サッカー選手権大会
令和3年度四国高等学校サッカー選手権大会