筑紫台が高稜との上位対決を4-0で制す!

筑紫台MF木本真翔(写真=森田将義)

 高円宮杯U-18サッカーリーグ2021福岡は、11日に第10節を実施。高稜筑紫台の一戦は、MF木本真翔(3年)の先制点を皮切りに4点を奪った筑紫台が勝利した。

 前期を終えての順位は、勝点21の首位・高稜に対し、筑紫台は勝点19で4位。「上位対決だったので、絶対に倒すという気持ちで挑んだ」とMF木本真翔(3年)が振り返る通り、筑紫台がこの試合にかける意気込みは十分だった。ただ、「いつも連携がうまく試合の入りが悪い」(DF伊藤暉、3年)という癖が、この日も出てしまった。「空中戦が多く、ボールが全然おさめられなかった」(木本)ため、序盤は両チームともにボールが落ち着かず一進一退の展開が続いた。ファーストチャンスを得たのは高稜で、前半18分には左CKのこぼれ球をFW寄本響也(2年)が右足ダイレクトで合わせたが、筑紫台のDFがブロックした。

 時間の経過と共に、筑紫台の攻撃陣に良い形でボールが入るようになると、持ち前のショートカウンターが威力を発揮し始めた。試合が動いたのは、25分。FW実藤蓮人(3年)のパスから、木本がPA左に侵入すると、鋭い切り返しでDFを2人かわして先制点をマークした。「キックフェイントが得意なので、自信はあった」と振り返る一撃は、チームに弾みがつく貴重な一撃。伊藤が「前半のうちに1点が獲れたので、自分たちの流れに持ち込めた」と続けた通り、この一点を皮切りに筑紫台の攻撃の勢いが加速した。

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高稜 vs 筑紫台翔(写真=森田将義)

 後半16分には、右サイドを抜けた大本が、「いつも練習している」形でGKとDFの間にクロスを展開。ゴール前で待ち構えた伊藤が頭で合わせて、リードは2点に。28分には自陣でのボール奪取から、素早く相手エリアへと展開すると、実藤のパスからMF芹野竜斗(3年)がゴールネットを揺らした。試合を締めくくったのは、FW石川秋真(2年)。右サイドを抜け出した実藤からのパスを右足で決め、4-0で試合を終えた。

 伊藤が「波に乗れば、大量得点も狙える」と評する通り、今年のアタッカー陣は実力十分。実際、令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)福岡予選準々決勝では県の盟主である東福岡から3点を奪った。結果的には延長戦の後半終了間際で追いつかれ、PK戦で涙を飲んだため、「最後の最後でやられて本当に悔しかった」(木本)が、チーム力の片鱗を覗かせるには十分な試合だった。

 これからチームが見据えるターゲットは、選手権出場。「今年は東福岡の1強ではなく、全国に出る飯塚を含め5チームくらいにチャンスがある。そこに筑紫台も入って、絶対に優勝したい」。木本の意気込み通り、上位勢に食い込んでいくつもりだ。

(文・写真=森田将義)