飯能南が0-0からのPK戦を制し、川口東に競り勝つ

飯能南イレブン

 第100回全国高校サッカー選手権埼玉大会は9日、インターハイ予選のベスト8をはじめ、県Sリーグ加盟校など計52校が参加して決勝トーナメントが開幕。1回戦22試合に熱戦を繰り広げた。

 8月の1次予選を勝ち上がって決勝トーナメントに進んだチーム同士の顔合わせは、飯能南が0-0からのPK戦を制し、川口東に競り勝った。飯能南は1次予選Yブロックのシードとして2試合を無失点で突破し、Q組のシードだった川口東も2試合を無失点で勝ち抜いた。飯能南は3年連続、川口東は2年ぶりの決勝トーナメント進出だった。

 飯能南はいずれも昨季からのレギュラーである鈴木光之、嵯峨康希の両ボランチ(ともに3年)が起点となって攻撃を開始。川口東もプレースキックを担当する本吉史佳、田嶋詩琉(ともに2年)のふたりのボランチを経由してビルディングアップが始まった。

 しかし前半は、両チームともつなぎのパスでミスを重ねたことで、敵の守備ラインを切り裂く最終パスを配給できず、決定的な得点チャンスは築けなかった。飯能南は37分に右CKからDF榎本界翔(2年)が放ったヘディングシュート1本だけで、川口東はシュートゼロだった。

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 だが後半を迎えると、そろって攻撃が活性化する。勢いがあったのは川口東だ。8分のFW吉田羅威(3年)、20分と33分のFW南尾亮輔(3年)の一撃は強烈で、35分に右CKからDF松野優大(2年)が放ったヘッドも惜しく、アディショナルタイムにも途中出場のMF水上翔惺(2年)が決定打をお見舞いしたが、GKの正面を突いた。

 飯能南も3分、榎本が左CKを頭で合わせたがポストをたたき、12分にはFW中野瑠唯(3年)がGKと1対1になる絶好機を迎えながら決められなかった。

 計20分の延長でも決着がつかず、PK戦に突入した。飯能南は昨年もゴールマウスを守った3年生GK古関敦が、先蹴りの川口東のシュートを先頭から3人続けてストップ。すべて枠に飛んできた一撃を見事な反応で弾き返した。飯能南は一番手から3人とも成功し、PK戦を3-0でものにした。

 着任6年目、指揮官となって5年目の久津間岳文監督は「古関はGKとして能力が高く、自信があったと思います。最近の練習試合やリーグ戦では無失点がなかったのでうれしい」と2年続けて1回戦で敗退していただけに、喜びもひとしおだ。

 2回戦の相手は3連覇を狙う昌平。「王者とやれる機会はそうそうないので楽しみです」と久津間監督は気合十分だ。飯能南高校は2023年度に飯能高校と統合し、新校を開校するだけに、飯能南として選手権を戦えるのは2大会となる。

(文・写真=河野正)

▽第100回全国高校サッカー選手権埼玉予選
第100回全国高校サッカー選手権埼玉予選