「大エース」不在の山辺、前半の2点を守り切り決勝進出

先制ゴールを決めたMF佐藤琉生(写真=森田将義)

 令和3年度奈良県高校サッカー新人大会の準決勝が2月5日に行われ、山辺帝塚山が対戦。前半に奪った2ゴールにより、山辺が2-0で勝利し、12日に行われる決勝へと駒を進めた。

 1年生が主力の大半を占める若いチームで、選手権初出場を掴んだのが2年前の2020年。彼らが最終学年を迎えた今年の山辺は確かな成長の跡を見せられるよう着実に準備を進めている。2年前に1年生ながら主将を務めたFW[writer]太田凱翔[/writer](2年)は今大会、右ひざの負傷のため、大事をとり出場機会がない。「大エース」(興津大三監督)の不在をマイナスに捉えるのではなく、プラスに変えようとしており、指揮官は選手への声掛けをあえて控え、選手の自主性を即している。試合前とハーフタイムのミーティングも試合に出られない太田中心に行っているのが印象的だった。また、試合中も代役を務めたDF野々川静流(2年)を中心に雰囲気を作る声を出していた。

 「前半は風もあり、自分たちのプレーは出来なかった」(FW中川泰玖、2年)ものの、ボールを奪ったら素早く前方へと展開し、シュートまで持ち込めたのは完ぺきとは言えないが、そうした取り組みが少しは上手く行き始めているから。序盤は自陣からのフィードを送っても、DF丸山綸久(2年)と高大樹(2年)のカバーリングに阻まれていたが、前半16分には左サイドを抜け出したMF濱岡聖流(2年)からチャンスが到来。ゴール前に入ったパスから中川がゴールを狙ったが、GK梶野創太(2年)に阻まれた。直後にも中川が決定機を迎えたが、シュートは右ポストに阻まれた。

 以降が思うように続かなかったが、28分にはDF田中嵩人(1年)のロングフィードからゴール前を抜け出したFW佐藤琉生(2年)が先制点をマーク。39分には左サイドからMF田中翔(1年)が左サイドから上げたクロスが直接決まって、2-0で前半を終えた。

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▽令和3年度奈良新人戦(新人選手権大会)
令和3年度奈良新人戦(新人選手権大会)