これに対して大津も、左サイドに香山太良、前線に山川柊らスピードと突破力のある選手を投入して対抗。ゲームを通じてはお互いに得点機を迎えるオープンな展開となったが、ともに最後の部分の精度を欠いてスコアは変わらず、前半の1点を守った大津が逃げ切る格好となった。

大津 vs ルーテル学院(写真=井芹 貴志)

 失点場面について、「ボールの奪われ方が悪く、フリーの選手を見落としてボールウォッチャーになってしまった」と振り返ったルーテル学院の小野監督だが、「その後も決定機を作られながら、GKの松村純信がよく防いでくれた。決める技術や判断を磨かなければいけないが、やれる見通しはついたので、新年度のリーグ戦や高校総体に向けてチームを作っていきたい」と話し、約2週間後に行われる予定の九州大会も、課題を克服し成長する機会と捉える。

 一方、大津の山城監督も、「課題は多く、これからやらなければいけないことがたくさんあると感じた」と話しつつ、「ボールが落ちつかずスピードのコントロールができなかったけれど、今は人もボールも休まないことをテーマにしているので、オープンな展開になってもいい段階。その中で、相手の隙を突いて得点を奪えたことはよかった」と前向き。初めて国立競技場の舞台に立った経験とそこで敗れた悔しさを糧に、「あの場所に戻って、次はそこで勝つこと」を目標に、まずは2年ぶりの九州チャンピオンを狙う。

(文・写真=井芹貴志)

▽令和3年度熊本新人戦(新人選手権大会)
令和3年度熊本新人戦(新人選手権大会)