互いに1点ずつを奪い迎えた後半戦、開始早々矢板中央が逆転弾。
キックオフの笛から40秒あまり、左サイドからのロングスローにヘッドで合わせたのは後半開始と同時にピッチへと送り出された森本。ニアサイドで競り勝つと、このシュートがGKの手をかすめながらファーサイドへと吸い込まれる。背番号10を背負う点取り屋がベンチの期待に応える一撃を叩き込んだ。
一方、逆転を許した関東一にも徐々に“らしさ”が垣間見え始める。
厳しいマークを強いられる中、中盤で奮闘する冨山らを中心にボールを保持。58分には、CKから鈴木のボレー、64分には鈴木のスルーパスから岡崎がDFラインの背後へと抜け出しシュートを放つなど意地の反撃を展開した。そんな関東一は、冨山にキャプテンマークを引き継いだMF鈴木隼平を筆頭に、今夏総体得点王のFW岡崎仁太朗、さらにはMF道願翼、MF髙橋快斗とスターティングメンバーに名を連ねた4人の3年生も躍動。今夏総体では同校史上初の4強へと導いた彼らにとって集大成となる一戦、後輩たちへプリンスリーグ昇格という最高の置き土産を残すべく奮闘する姿が印象に残った。
それでも90分間の熱戦を経て、軍配は矢板中央。
「ここから頑張ったチームが勝つ」と高橋健二監督が指示した残り15分も強烈なプレッシングを継続。前線の選手を含む3人の選手同時交代、そして4バックから3バックへとシフトし同点を目指した関東一の反撃を封じた。
接戦を制した矢板中央は次戦、プリンスリーグ関東昇格を争う大一番で横浜FCユースと激突する。
(文・写真 金子 侑史)