チームワークで勝ち取ったプレミアリーグ残留だ(写真=佐藤亮太)

 試合後、勝利の余韻に浸る間もなく、あたりはしばしの静寂に包まれた。

 みな手持ちのスマートフォンに視線を落とした。そして誰かが言った。

 「市船は0-0か」「引き分けたぞ」

 柏U-18がプレミアリーグ残留を決めた瞬間、選手もスタッフも互いに抱き合い、涙し、ピッチは歓喜の渦となった。

 「(チームにとって)生きた心地のしない3週間」と振り返るのは柏U-18酒井直樹監督。

 それも無理はなかった。前々節のJFAアカデミー福島U-18戦と前節の流通経済大柏戦では、勝てば残留という状況で相手の守備を崩せず、どちらも0-1で敗戦。不完全燃焼な試合が続いた。

 また追い打ちをかけるようにレギュラークラスが次々と体調不良を訴え、さらに故障離脱者も続出した。

 「暗いニュースばかりが続いたなかでのきょうの試合となった」と酒井監督。

 それでも勝ち切れた要因をこう話す。

 「彼らの良いところはチームで戦うスピリットや仲間をリスペクトし、引っ張り上げられる、そうしたチームワークがきょうの試合に出ていた」

 柏U-18はタレント揃いの横浜ユース相手にチーム力で対抗した。

 特に後半は、勝つために前がかりにならざるを得ないなか、前線の選手がカウンターをしやすいようにGKを含めた最終ラインは堅固な守りで、相手を遠ざけ続けた。

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