矢板中央 vs 鹿島アントラーズユース

 「一人ひとりが球際の強さを出して、アントラーズのやりたいことを消しにいく話は試合前からしていました」(髙橋健二監督)。序盤から矢板中央らしい守備で要所を締め、相手にボールを繋がせない。自分たちのペースに引き込むと、ロングボールを主体とした攻撃や手数を掛けないカウンターで相手陣内に進入していく。0-0で前半を折り返すと、後半に入っても足は止まらない。肉弾戦を制し、鹿島に主導権を渡さなかった。しかし、57分に一瞬の隙を突かれる。MF平山京吾(2年)の左CKからDF松本遙翔(1年)に先制点を決められた。

 ビハインドを背負った矢板中央はここから反撃。スピードに長けたFW坂本怜輝(3年)、空中戦に強いFW若松優大(3年)といった交代選手たちが躍動し、前線で起点となってチャンスを創出する。とりわけ、坂本は何度もDFの背後に突き、相手の最終ラインを押し下げて中盤にスペースを作り出した。すると、直後の56分にMF柏木康佑(3年)が右サイドで粘ってゴール前にクロスを供給。最後は坂本が高打点のヘッドを叩き込み、試合を振り出しに戻した。

 同点に追い付いたチームは流れを掴むと、77分に左SB木村匠汰(3年)のロングスローを若松がニアサイドで合わせる。技ありのバックヘッドでゴールに流し込み、逆転に成功した。その後は粘り強い守備で相手の反撃を跳ね返し、隙あらば3点目を狙いに行く。90分には相手CKを凌ぐと、CBの2人がカウンターを発動。小林陽真(3年)が自陣から敵陣までボールを運んで中央にラストパスを送り、最後はCBの畑岡が冷静に流し込んで勝負を決定付ける3点目を奪った。

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