数的不利となった帝京も、FW齊藤慈斗のゴールで一時同点とした(写真=多田哲平)

 一方の帝京は10人になっても攻守に渡って全員が身を粉にして走り回り、数的不利を感じさせなかった。MF10伊藤聡太(3年)、MF8押川優希(3年)、MF18田中遥稀(3年)はピッチを幅広くカバーし、DF2島貫琢土(3年)と並木は精力的にアップダウンを繰り返す。さらに前線でパワフルなキープ力を発揮した齊藤は相手の脅威となり続けた。日比威監督は「10人になってひとつギアが上がった」と言い、以下のように続ける。

 「普段は負けて褒めたいと思わないけど、今日は褒められる。やるべきことはやったし、10人でも11対11のようなゲームができた。崩して点を取っているし、昌平さんも仕留めてくるのは凄いけど、うちの選手たちがそこを引き出してもらえたのは良かった。勝点を取れなかったのは苦しいけど、それ以上に得るものがあったと思う」

 昌平の藤島崇之監督も「帝京さんの上手さが出た。13番の齊藤くんの個や、そこからグルーピングを作られた。逆にうちは相手が少なくなっても、プレービジョンや選択肢があまり良くなかったのは課題。とはいえセットプレーで取り切って勝てたのが一番大きい」と相手の戦いぶりを称賛しつつ、勝点3獲得に胸をなでおろした。

 首位・昌平の勝負強さと、それを追いかける帝京の執念が表れた好ゲーム。これで昌平が7勝3分1敗の勝点24で首位をキープし、帝京は6勝1分4敗の勝点19で3位(9月10日時点)となったが、優勝争いはまだまだ白熱しそうだ。

(文・写真=多田哲平)

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