高知ではFW角田颯磨がたくましかった(写真=柏原敏)

 FW8小橋川海斗(3年)のポストプレーが効果的で敵陣進入回数とともに決定機も増加していった。23分には中井のロングスローからMF7浅野颯真(3年)がゴールに迫り、直後のCKではファーサイドに構えていた中井の左足シュートがバーを叩く。

 そして、良い流れのまま33分に先制。右サイドの攻防から逆サイドまでボールが流れ、攻撃参加していた野田が右足一閃でゴラッソ。サイドネットを揺らすかのような逆サイドのコースを突いたシュートが突き刺さり、右に左に振られたGKとしてはノーチャンスの場面だった。

 さらに攻撃の手数は増え続ける。40分にはCKから中井がストレート系のキックでファーサイドを狙い、倉田がヘディングで合わせて決定機。また、直後の追加点が決まったプレーは圧巻だった。DF16梶磨佐志(2年)が右サイドの敵陣深くから“この体勢で上がる!?”と問いたくなるような美しいクロスを供給。このプレーにいち早く反応していたFW9福田秀人(3年)がヘディングでゴールネットを揺らして前半終了。

 後半も米子北は攻撃の手を緩めない。

 立ち上がり早々に中井が起点となって左奥深くを取ったプレーの流れで同サイドの攻撃が続き、最後はペナルティエリア付近で縦突破を仕掛けた福田が左足でマイナスのクロスを供給。一見すると先には誰もいないスペースへのミスキックかと思いきや、決めごとのように後方から走りこんできたMF15仲田堅信(2年)が正確にミートしてゴールネットを揺らす。正確性と判断力がいくつも連なった見事な追加点だった。

 そして、極めつけは約10分後。左サイドの攻防から同サイドに視野が集まっていたが、パスを受けた野田はリズムを変えるかのようにルックアップ。ゴール前に目線を送ると、直ぐさま判断を変えて速いテンポを維持して左足でクロスを供給。ペナルティエリア内では福田が既に反応しており、右足で正確に合わせて試合を決定付ける4点目を挙げた。

 終盤は高知も意地をみせ、途中出場のFW20門田翔平(1年)と角田の2トップで快足を武器に敵陣へ迫る。後半アディショナルタイムには後方からのパスを門田が相手DFに体を当てながら入れ替わるような動きでドリブルで運び、パスを受けた角田がPA内でファウルを誘ってPK獲得。これを角田自ら左隅に落ち着いて決めて1点を返す。

 しかしながら、高知の反撃はここまで。大量得点を挙げた米子北が駒を進め、3回戦で四日市中央工業(三重)と対戦する。

(文・写真=柏原敏)

▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
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