日章学園 vs 昌平(写真=森田将義)

 後半に入ってからは日章学園の勢いが増し、サイドからの見せ場が増えていく。6番MF金川羅彌が「昌平という誰もが注目しているチームに自分たちも引けを取らずにやれていたと思う」と話した通り、互角の戦いで得た自信も大きかった。15分には左から中に仕掛けた14番MF安藤優翔が中にパス。8番MF石田誠二が放ったシュートが、20番MF川越廉斗に当たりながらも、決まり逆転に成功した。

 試合のペースは完全に日章学園。「やるしかないという状況だった。流れも全く良くなかった」と振り返るのは敵将の藤島崇之監督だ。このまま引き下がれない昌平は、前半終了間際に今大会で怪我から復帰した9番FW小田晄平を前線に入れたのに続き、クーリングブレイク明けには14番MF佐々木小太朗、12番DF田中瞭生を同時投入。「自分たちが主導権を握りに行く」(藤島監督)ため、長をボランチに下げて、より攻撃色を強くした。

 「逆転されてもチームは誰一人下を向いていなかった。プリンスでも0-2の試合を10人で追い付いたことがあった」(長)のも大きかった。交替策と気持ちのタフさが上手くハマり、試合再開後には11番MF篠田翼が同点ゴールをマーク。その直後の24分には、1番GK上林真斗がロングキックを前線に展開。小田が競ったボールを佐々木が胸トラップでコントロールすると、振り向きざまに豪快なボレーシュートを決めて、勝ち越しに成功した。

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