試合終了後の両校

 貴重なゴールをマークした山下は「今まで支えてきてくれた人が多かった。みんなで喜びを分かち合おうと思って、ベンチの方に走りました。今大会の攻撃陣は自分以外の選手がだいたい決めていたので、結構焦りはあった。ここで1発やってやろうと思っていたので、点を決められて良かったです」と笑みを浮かべた。

 試合終盤は長いボールを増やし、同点弾を狙いに来た昌平を粘り強く対応。34分には篠田のパスから小田に決定的なシュートを打たれたが、ゴールカバーに入った2番DF島貫琢土がブロック。直後に左クロスから打たれた荒井のシュートも島貫が身体を張って弾き、帝京が1-0で逃げ切った。

 志向するボールを繋ぐサッカーを見せつつ、今大会で成長している守備の粘り強さも披露した結果が、20年ぶりとなる決勝進出。大会の勝ち上がりによって古豪復活を印象付けている帝京だが、選手は満足していない。「あと1個で優勝なので、ここで満足できるわけがない。あと一個と獲らなければ意味がない、全力で貪欲に勝ちを獲りに行きます」と伊藤は決勝に向けて意気込んだ。

(文・写真=森田将義)

▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)