東福岡 vs 東海大福岡(写真=中倉一志)

 そして、それを徹底できるアグレッシブな姿勢とフィジカルの強さを東海大福岡は持っていた。鋭い出足でプレスをかけ続け、奪った瞬間に背後に走り出すのは、相当に体力を使う。時間の経過とともに緩むのではないかという見方もあっただろう。だが、東海大福岡は、それを繰り返し続けた。

 迎えた後半12分、ロングボールに抜け出した大森裕介が倒されて得たPKを久保敬太が決める。そして、その後も東福岡を自陣内に閉じ込めて時間を進める。同31分には東福岡に一瞬の隙を突かれて同点ゴールを許し試合は延長戦へともつれ込んだが、それでも東海大福岡の戦い方に変化はなかった。

 立ち上がりから継続するプレスの強度と走力は延長戦に入っても変わらず。前に出ようとする東福岡からボールを奪い、鋭く攻守を切り替えてゴールに迫るシーンも作った。

 東福岡の堅守の前にゴールはならなかったが、延長戦もやりたいことをやれていたのは東海大福岡だった。そして迎えたPK戦を4-2で制して優勝候補No.1の東福岡を下して準々決勝へと駒を進めた。

 東福岡が従来のパフォーマンスを出せなかったのではなく、東海大福岡の徹底した戦い方の前にストロングを出させてもらえなかった試合。夏を思わせる炎天下で、延長戦を含めて最後までハードワークに徹した東海大福岡の姿が強く印象に残る。勝者に値する戦いをしたのは間違いなく東海大福岡だった。

(文・写真=中倉一志)

▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)福岡予選
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