互いにがっぷり四つで攻め合う接戦に(写真=多田哲平)

 すると47分、DF25鈴木嵐(2年)のロングスローに平井がヘディングで合わせて、同点ゴールをゲット。前半途中からはどちらかと言えば西武台により多くのチャンスを作られていたが、この1点から東京成徳大深谷も徐々に押し込む時間が増え始め、再び一進一退の展開に。

 37分には秋本がロングシュートを見舞い相手をヒヤリとさせれば、終盤に立て続けに訪れたピンチをしのぎ切り、追加点を許さない。そして試合はそのまま延長戦へともつれ込む。

 延長戦に入っても互いに一歩も引かずに攻め立てた。最大のピンチが訪れたのは延長後半も終盤の99分だった。相手FW17竹内奏海(1年)にディフェンスラインの背後を突かれてGKと1対1に。しかし、この絶体絶命のピンチを守護神の木村が素早い飛び出しで防いでみせた。

 均衡したまま突入したPK戦では、互いに3人目が失敗したものの、その後はどちらも決め続けていく。

 決着がついたのは9人目だった。先攻の成徳深谷がMF14松田陽瑠(3年)のゴールで先手を取ると、対する西武台のキックはポストに阻まれる。ついに長い戦いに終止符が打たれた。

 死闘を制した東京成徳大深谷は初の決勝進出。全国出場をかけて6月19日に昌平と対戦することになった。

 一方で好勝負を演じた西武台も称賛されてしかるべきだ。中盤とFWが流動的にスペースに走りこんで敵陣を攻め入るアタックには迫力があり、特に和田のテクニックとロングスローは相手の脅威となっていた。

(文・写真=多田哲平)

▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)埼玉予選
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