意地の一発で一矢を報いた尼崎北FW河村秋嗣

 4点リードで後半を迎えた神戸星城は攻撃をさらに加速。39分、GKからのフィードを西田が肩でコントロールして背負っていたDFを振り切ると、ボックス内右からGKの頭上を越えるループシュートを決めてハットトリック達成。

 最後まで攻撃の手を緩めなかった神戸星城はその後もゴールを量産し、10-1で大勝した。

 敗れた尼崎北にとっては厳しい結果となった。しかし、最後までゴールを目指し終盤には一矢を報いた。10番FW古住公穏は何度相手に囲まれてもドリブルにこだわった。そしてゴールシーンではそれが実り、古住が中盤をドリブル突破。古住のスルーパスに反応した途中出場15番FW河村秋嗣が倒れ込みながら左サイドネットにシュートを流し込んだ。

 ゴールを決めた河村は後半から出場すると前線でとにかくボールを追いかけた。何度剥がされても追いかける。諦めなかった古住と河村へのご褒美とばかりの素晴らしいゴールだった。

 そして洗練された攻撃を見せつけた神戸星城。

 柏木佑介監督も「去年から試合に出ている子が多いので、今年は本当に(優勝を)狙えるかなと。僕自身も狙っているし、報徳と初めに当たったのが良い方向に流れてきてくれていて、このままの勢いで行けるんちゃうかなと思います」と手応え十分。

 「本当にそれぞれが武器を持っているので、それを出せればどんな相手でも負ける気はしないです」と指揮官が言ってのけるのも頷ける強さ。神戸星城の次戦の相手は前回王者の関西学院を破った相生学院。5回戦とは思えないハイレベルな試合になること間違いなしの好カードとなった。

 (文・写真=会田健司)

▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)兵庫予選
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