サッカー部員全員で4年ぶりの全国高校サッカー選手権大会出場を喜ぶ四国学院大香川西(写真=寺下友徳)

 しかし、ゲームの展開は後半に入ると一変する。「2トップの位置を中央に変えて、サイドからより仕掛けるようにした」(佐々木浩児監督)高松東は、42、43、53分と続けざまにチャンスを演出。ついに54分には「うまく(右サイドから)ドリブルで仕掛けられた」山下のピンポイントクロスを松田がドンピシャヘッドで合わせ1点差に。その後もアディショナルタイムまで四国学院大香川西のゴールを脅かした。

 が、四国学院大香川西はここで粘り強くDFラインが対処。加えて「ジャンプ力には自信を持っている」GK三谷が再三クロスをセーブし、反撃の時を待つと86分には自陣からのカウンターを受けた途中出場のFW19鹿島優希がGKとの1対1からループ気味に「自分のゴールで試合を決めようと思っていた」を体現する3点目。結局試合は3-1。四国学院大香川西が「高円宮杯JFA U-18サッカープリンスリーグ2022四国」後半戦2勝3分1敗の好調を維持する形で4年ぶり12度目の全国高校サッカー選手権大会出場を決めた。

 試合後ゲームキャプテンの福平は語った。「決勝戦のベンチに入れなかったキャプテンのGK谷将貴や副キャプテンのDF中島嘉人のためにも、今日は勝とうと思っていた」。こうして香川県の名門復活への息吹を吹き込んだ彼らは「週4回の朝練習を導入して止める、蹴るを鍛えてきた」積み上げをさらに高めて、登里享平(J1・川崎フロンターレ)ら偉大な先輩たちも達成できなかった大会ベスト8以上を目指す。

(文・写真=寺下友徳)

▽第101回全国高校サッカー選手権香川予選
第101回全国高校サッカー選手権香川予選