PK戦も7人目のキッカーまでもつれる大熱戦 おかやま山陽が水島工に競り勝つ

大喜びのおかやま山陽イレブン(写真=寺田弘幸)

 第101回全国高校サッカー選手権岡山予選の3回戦が9月24日に行われ、水島工おかやま山陽の一戦はPK戦の末におかやま山陽が勝利した。

 1回戦と2回戦は土のグラウンドだったこともあって培ってきたテンポよくパスをつなぐサッカーを表現しにくかったおかやま山陽は、3回戦から人工芝グラウンドになったことで躍動した。

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 「ゴールを奪うことを目的でやっているんですけど、蹴るだけじゃなく自分たちでボールを動かしながらやっていこう、と。相手の状況を見て、前に来ているんだったら背後、来ていないんだったらつなぐ。そういうサッカーを目指してきて、攻撃には自信を持っています」(おかやま山陽の加藤毅監督)

山陽イレブン歓喜の輪(写真=寺田弘幸)

 ボランチの栗原翼が中心になってパスを捌き、FWの西平光大がスペースを突いて起点を作っていく中、特に左サイドでイニシアチブを握った。ドリブラーの花岡颯太とタフに上下動する村上大希のコンビで水島工を押し込み、木村友一の質の高いプレスキックからゴールを奪い取っていく。前半はおかやま山陽が良いところを多くピッチで表現して2点を先取して折り返した。

 しかし、後半は水島工業が反発した。開始早々にセットプレーから田村颯汰がヘディングシュートを決めて1点差に迫ると、おかやま山陽は木村の得点で3-1に引き離したが、再び田村がセットプレーからヘディングシュートを決めて1点差に戻す。そして、試合終了間際に青山琉輝也が同点ゴールを決めてみせた。水島工が粘って試合は延長戦、PK戦へと進んでいき、PK戦も7人目のキッカーまでもつれる大熱戦となった中、おかやま山陽が制した。

健闘した水島工イレブン(写真=寺田弘幸)

 加藤監督は安堵の表情で試合を振り返ってくれた。

 「失点する課題が今日も出てしまったけど、生徒たちが良くやってくれました。ここで僕自身は11年間やってきて、監督は8年目になるんですけど、今年が1番伸びたチームです。キャプテンの2人を中心に僕が何も言わなくても自分たちで取り組めるようなチームになっている。自主性があって考えて行動できるチームなんで、まだまだ伸びシロがあると思っています」

 キャプテンの1人である村上も安堵の表情を浮かべながら、次戦を見据えた。

 「自分たちの代は新人戦とインターハイを1回戦で負けてしまって、その悔しさを選手権で晴らすことを目標にしてやってきました。今日の試合も苦しかったんですし、自分は後半の途中で足を攣ってしまって。負けたら自分のせいだと思ってました(苦笑)。勝ってくれて良かったです。今年のチームは仲の良いところが1番良いところです。全員が意見を言い合える集団で、みんなで高め合える集団です。試合中は自分がキャプテンをするんですけど、もう1人のキャプテンの坪井(優成)といつも話し合ってやってきました。自分たちのサッカーができたら絶対に勝てると思うんで、次も頑張っていきたいです」

 自分たちで高めてきたサッカーに自信を持つおかやま山陽は、ベスト16で令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)岡山予選4強の関西と対戦する。

(文・写真=寺田弘幸)

▽第101回全国高校サッカー選手権岡山予選
第101回全国高校サッカー選手権岡山予選