ゲーム後、履正社の平野直樹監督は「昨年決勝で負けてしまったので、まずは決勝に進出する目的を達成できて少し安心しています」とコメント。
さらに「内容に関して言えば"君らはもっとできるだろ"というのがあって、今まで積み上げてきたものを上手く出せればとも思いますが、それを出せないのがこういう場であって、大阪は予選からこういう状況になるので子供たちに目に見えないプレッシャーがあるのだと思います」と続け、「またここで出来るので"次もっといいゲームをしよう"という声をかけてあげたいと思います」といつもの力を出し切れなかったと話し、決勝でまたこのヨドコウ桜スタジアムに戻ってきたいと話した。
そして徹底マークを受けたゲームキャプテンの古田は「右に行っても左に行っても着いてきたので、寄せられているというよりも引き付けているという意識でやっていました」と話した。「力んでダボダボシュートになってしまった」と反省を口にしたが、1点目は自身のシュートがゴールに繋がり、ダメ押しとなる2点目も決めしっかり仕事をこなした。「形はどうであれストライカーとして1点取れたことは心の余裕になると思います」と決勝に向けて、チームにとってもエースにとっても大きなゴールとなった。
一方初の準決勝の舞台で優勝候補を苦しめる見事な戦いぶりをみせた大阪商大堺。能智監督は「(履正社は)強かったですね。個の能力も高いですし、試合の経験も豊富なので、相手をみながら判断を出来る。どこに相手がいるかをみて、それがちょっとでもズレたら隙を突ける。フィジカルの強さもありますし、そういうところは差があると感じました」とコメント。
さらに「古田君、名願君、西坂君のホットラインは本当にレベルが高いので放っておいたらやられてしまう。そこに対しては人数をかけて対応して、もしそこでやられてもファーサイドをしっかりケアをしてゴールを割らせないように」というゲームプランだったと話した。
それでも大阪商大堺は強豪を次々倒して初のベスト4。さらにこの準決勝でも最後まで崩れることなく見事な戦いぶりを見せてくれた。
そして履正社は3年連続の決勝進出。ただでさえ結果を出すのが難しい激戦区大阪で、3年連続決勝に進むということは本物の強豪と言えるだろう。しかし、昨年の決勝では阪南大高を相手に自分たちのプレーが出せず、悔しい想いをした選手も少なくないだけに負けられない戦いになる。
決勝の相手は桃山学院との死闘をPK戦で競り勝った興國に決定。大阪一を決める大一番は11月12日、ヨドコウ桜スタジアムで行われる。
(文・写真=会田健司)
▽第101回全国高校サッカー選手権大阪予選
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