昌平 vs 埼玉栄(写真=河野正)

 この失点で攻撃のギアを最大限に上げた昌平は、次から次へと際どいシュートをお見舞いする。27分、荒井の右クロスから放った左MF長準喜(2年)のボレーシュートはバーに弾かれ、FKに合わせたCB石川穂高(2年)の32分のヘッドもわずかに左へ外れたが、よどみないボールの動きと崩しのパスは埼玉栄の守備陣を何度も慌てさせた。

 そうして34分に決勝点が生まれる。荒井が右サイドを深くえぐってクロスを配給すると、長が右足ダイレクトで捕らえて右隅に決めた。5分後にはMF土谷飛雅(2年)の蹴った左CKを石川がニアポストから頭で突き刺し、39分の4点目は荒井の個人技の高さ、存在感の大きさがもたらしたゴールだった。

 右から豪胆に運んだ荒井は中央にカットイン。埼玉栄のマーカーを3人も引き連れたことで、中央の守備が手薄になった。倒れながら1トップの鄭志錫(1年)に預け、土谷を経由した最終パスを完全フリーの長がダメ押し点を蹴り込んだ。

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▽第101回全国高校サッカー選手権埼玉予選
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