値千金の決勝弾を決めたのは1年生のMF大谷湊斗だった(写真=多田哲平)

 そして、そのなかで改めて実力を証明したのが、FC東京加入内定の荒井だった。

 32分に複数人の相手を巧みに剥がして決定機を作ると、36分にもクロスでFW15鄭志錫(1年)のシュートチャンスを演出。40分には鋭いカットインからポスト直撃のシュートを放つなど、そのドリブルは東京成徳大深谷の大きな脅威となった。

 しかし東京成徳大深谷のDF3増子颯竜(3年)やDF6新井優波(3年)を軸とした固い守備を破れずスコアレスで試合を折り返す。

 さらに後半の立ち上がりには今予選5点中4得点をセットプレーで奪ってきた東京成徳大深谷の脅威にさらされる。43分、44分、45分と立て続けにCKを与え、ゴールに迫られた。

 それでも、このピンチをDF4津久井佳祐(3年)とDF5石川穂高(2年)のCBコンビ、GK1上林真斗(3年)を中心に凌ぐと、再びハイテンポのパスワークを展開して攻撃に転じていく。

 待望の先制点を奪ったのは57分だ。ペナルティエリアの少し外でボールを受けた大谷が左足を一閃。このシュートが相手に当たりコースが変わると、ゴール左に吸い込まれる。1年生アタッカーが大舞台で値千金の先制点を決め、指揮官の起用に見事に応えてみせた。

 その後、昌平は時間を上手く進めてこのリードを守り抜き、1-0で勝利。2年ぶり5度目の選手権出場を決めた。

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▽第101回全国高校サッカー選手権埼玉予選
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