都立葛飾野のDF世利亘(右)は攻守に奮闘(写真=多田哲平)

 手応えを掴んだ青稜は後半に入っても、都立葛飾野のスピードに対抗し、一進一退の攻防を演じる。

 GK1高野将和(1年)は捨て身のセーブでゴールを死守すれば、DF13荒川陽輝(2年)と林の2CBも体を張って相手の進入を阻止し続けた。

 すると70分、守備陣の奮闘に攻撃陣が応える。左サイドの崩しからパスが供給されると、ゴール前に走り込んでいたMF9西本澪二(2年)がこれを押し込み、ついにチームに逆転弾をもたらす。

 その後も、青稜は引くことなく、アグレッシブに前に出ていった。都立葛飾野の攻撃をブロックを敷いてまともに受けるのではなく、ハイプレスで勢いを削いでいったのだ。

 そして40+1分、右サイドを抜け出たMF10赤尾瑠朋(2年)からゴール前でパスを受けたMF8町原櫂人(2年)が振り向きざまに左足を振り抜く。これがゴール右に決まり、勝利を引き寄せた。

 見事に難敵を打ち破った青稜は、1次予選突破。7年ぶりの都大会進出を決めた。

 一方、惜しくも敗れた都立葛飾野もスピーディなアタックを披露。テクニックが光るMF7菅野修磨(3年)と伊藤は相手の脅威となり、右SBのDF17山本温心(3年)は精力的なオーバーラップで攻撃に厚みを加えた。また守備ではCB世利のカバーリング、ボランチのDF5髙橋愛翔(3年)の運動量が目立っていた。

(文・写真=多田哲平)

▽第101回全国高校サッカー選手権東京予選
第101回全国高校サッカー選手権東京予選