成城の主将DF刀根悠介は最後まで声を張りチームを鼓舞し続けた(写真=多田哲平)

 後半は成城にシュートをほとんど打たせないまま、72分にFKのこぼれ球を拾ったDF2久保木舜稀(3年)のゴールでリードを広げると、終了間際の80+1分にはFW18小泉翔汰(1年)の得点で5点目をゲット。見事5-0の快勝で初戦を突破した。3回戦では駿台学園と対戦する。

 試合後、巧みな試合巧者ぶりに、佐藤実監督も手応えを語る。

 「(成城にしてみれば)前半あれだけ回されてエネルギーを使うと、後半はどうしても足が止まってしまう。緊張もあったり、左右に振られることで見えない圧力とかもあったりして、対応することはできても、そこから反転して攻撃に出るまでは難しい。逆に前半は僕らも焦れて縦に入れていたら上手くはね返されていたかもしれない。なので体力を温存しつつ、コントロールしようと。相手が前に出ようとしたところでミスが少なかったのも良かった。前後半でやっていることは変えていないけど、ゲームが経過するにあたって、ペースはこっちにより傾いたのかなと」

 もっとも佐藤監督は「ただ全然こっちの試合とは思っていない」とも話した。

 「成城さんの狙いは見て取れたし、その一生懸命な姿勢に、高校サッカーの最後に懸けるパワーをすごく感じた。統率も取れていましたし、一人ひとりのクオリティも悪くなかったです」

 敵将がそう称えるように、点差がついたとはいえ成城の健闘も見応えがあった。シャドーの須田は鋭い突破を見せ、ボランチのMF10伊東祐弥(3年)は正確なプレースキックで相手の脅威に。MF7川島涼星(3年)とDF5飯田和広(2年)の両ウイングは精力的にサイドをアップダウンし、GK1小林泰明(3年)とCBのDF4刀根悠介(3年)は最後まで声を張り上げてチームを引っ張った。

(文・写真=多田哲平)

▽第101回全国高校サッカー選手権東京予選
第101回全国高校サッカー選手権東京予選