GK稲垣友斗オリバーはチームに安心感を与えた(写真=佐藤亮太)

 この堅守は桐朋の伝統のようだ。西條広隆監督は「守備の原則をみんなで共有できている。(長く指導した)伊藤克臣先生の頑張れる集団を作りたいという考えがいまの選手たちにも継承されています」という言葉から、守備の意識が連綿と受け継がれていることが分かる。

 加えるなら、守備範囲の広さが特長のGK1稲垣友斗オリバー(3年)の安定したキャッチングはチームに安心感を与えた。さらにこの守護神からの飛距離のあるゴールキックは攻撃への合図となり、背後に走りこんだ選手がチャンスを作った。

 堅守を担保にセットプレーとカウンターから効率よく4得点を挙げ、強さを見せた桐朋。

 「ここまで対戦してきた学校の分も試合を楽しんでいこうと選手に伝えました。勝たなきゃならないと思うと窮屈になってしまう。自分たちの力を出していこう。自分たちはチャレンジャーだとそう声をかけた」と西條監督。

 受け継がれた堅守と試合を楽しむ気持ち。この2つが桐朋の強さの要因だ。

(文・写真=佐藤亮太)

▽第101回全国高校サッカー選手権東京予選
第101回全国高校サッカー選手権東京予選