明桜イレブン(写真=竹内松裕)

 こうして迎えた10月25日は風こそあったものの秋晴れ。両チームの選手たちが良好なコンディションのピッチに入り、15分26秒の明桜のスローインから再開した。明桜のキャプテンFW佐藤拓海(3年は)22日の中断後「秋田商さんは蹴るところとつないでくるところを併用する。どっちで来られてもいいように対応したい。自分たちは守備のときに声が出なくなることがあるので、全員で声を出してボールを一回ひっくり返して自分たちのペースに持っていけるかがカギ」と話していた。

 その言葉どおり、明桜は前半19分に背後を突くプレーで先制する。中盤でMF小笠原義斗(3年)がボールを奪って前線へ浮き球を送る。DF畑村匠毅(3年)のクリアが弱くなると、そこに寄せていた臼田成那(2年)がすかさず奪って突進しマイナスのクロス。中央で待ち構えていた佐藤拓海はワンタッチで右足を振り抜くと、強烈なシュートがGK柿崎健太(3年)の手をはじいてゴールに吸い込まれた。

 幸先よく先制した明桜は秋田商とバチバチの球際の競り合いを展開。臼田や藤山成也(3年)、畠山昴琉(3年)らが前線からの守備で秋田商のビルドアップにプレッシャーを掛け、足を出してパスを引っ掛けて相手に気分良くプレーをさせずに試合を進める。

 1-0で折り返した後半は一転して秋田商が反撃に出る。後半2分、左サイドでパスをつなぎ、DF斎藤楓真(2年)のクロスにMF佐藤文太(3年)が頭で合わせるが枠を捉えられない。全体の距離感が近くなった秋田商は人数を掛けてボールを奪い、ディフェンスラインの裏を突く動きとサイドチェンジを織り交ぜて明桜に揺さぶりを掛け、7分に追い付く。サイドチェンジを受けたMF米谷海(3年)がドリブルで持ち込みシュート。これは左ポストに当たってはね返ったが、ゴール前に詰めていたFW柳村奈祐太(3年)が膝できっちり押し込んだ。

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▽第101回全国高校サッカー選手権秋田予選
第101回全国高校サッカー選手権秋田予選