試合終了後の両校(写真=竹内松裕)

 明桜は失点直後に円陣を組みコミュニケーションを取る。明桜の原美彦監督によると、SHが間延びしていたところを選手たちが自主的に修正したという。

 振り出しに戻った試合は、両チームの球際の競り合いがさらに激化していく。その中で流れをつかんだのは明桜だった。秋田商のパスを引っ掛けたり、ロングボールのこぼれ球を回収したりして攻撃回数を増やしていく。18分に藤山が、20分には臼田がシュートに持ち込むが枠を捉えられない。25分の佐藤拓海のシュートはポストを叩く。それでもこのプレーで得たCKで明桜が勝ち越しに成功する。MF小野亮輔(3年)の左CKを、ファーのDF吉崎塁(3年)がマークに競り勝って頭で合わせる。浮いたシュートが柿崎の手をすりぬけてゴールイン。

 秋田商は追い付こうと選手を入れ替えて敵陣に向かう。明桜は前がかりになった相手の背後をカウンターで突く。1点勝負となった緊迫した空気の中、最終盤に秋田商にチャンスが訪れる。柿崎のロングフィードのこぼれ球を奪った途中出場のFW長谷川悠馬(2年)が抜け出し、DF久米颯(3年)と競り合いながら懸命に足を伸ばす。しかしこのシュートは決まらず試合終了。

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▽第101回全国高校サッカー選手権秋田予選
第101回全国高校サッカー選手権秋田予選