日本文理は接戦を制して2回戦へと駒を進めた(写真=佐藤亮太)

 エースの貫禄を見せたのはFW杉本だ。実は県予選ではわずか1得点と思うような結果が出ず、焦りを感じていたという。しかし全国の舞台では一変。見事に結果を残した。

 1点目は開始18秒の電撃弾。杉本は「相手よりも先にボールを触ろうと思いました。まさか決まるとは思いませんでした」と振り返る。「フリーだったので迷わず振りました」という思い切りの良さがチームに良い流れをもたらした。

 2点目は値千金の決勝ゴール。「あまり覚えていませんが……外れるかなと思いましたが、良いコースに入ってくれた。気持ちで押し込みました」と感覚的な一方、シュートの際に、ふかさないように足ではなく頭を選択するなど実に冷静だった。

 実は杉本のシュートはこの2本のみ。決定率100%と、抜群の勝負強さを示した。

 その杉本、身長172センチとFWとしてはやや小柄。しかし「得意なのは競り合い」と話すように空中戦では無類の強さを誇り、その武器は攻守において効いていた。

【次のページ】 1回戦 日本文理 vs 立正大淞南(4)

▽第101回全国高校サッカー選手権
第101回全国高校サッカー選手権