高川学園はFKのキッカーが輪を作る新型トルメンタを披露した(写真=多田哲平)

 東山の福重監督は「立ち上がりから点を取りに行って、前半の内に勝負を決めようという話をした。なので阪田を前にして自由に動かして攻撃に厚みを出した。得点はなかったけど、相手にとっては嫌な感覚を持たせたつもり」と普段はサイドハーフの阪田をトップに置いた意図を語り、立ち上がりから勝負をかけていたことを明かした。

 さらに次戦に向けて「とにかく目の前の試合。先のことは考えずメンタルとフィジカルのコンディションを整えることと、この短い期間で整理していければ」と気を引き締めた。

 一方で敗れた高川学園はゲームプラン通りに試合を進めることはできなかったが、最後まで果敢に反撃を狙った。FW10山本吟侍(2年)はターゲットとして存在感を示し、FW9梅田彪翔(3年)は積極的に敵の背後を狙った。DF4藤井蒼斗(2年)は冷静に最終ラインを統率し、アンカーのMF29中島颯太(3年)は攻守に奮闘した。また後半に見せた、FKのキッカー3人が輪を作る新型トルメンタも印象的だった。

 江本監督は「改めて基本的な技術の差を感じさせられた。立ち位置を上手く取り続けるし、ボールの置き場所であったりとか、そういうもののレベルがすごく高い」と相手を称賛。また「選手は思っていることをある程度やろうとはしてくれた。言ったことを一生懸命にやってくれる子が多いので、そのあたりは収穫。今後につなげていけるのかな」と来季に向けて話した。

(文・写真=多田哲平)

▽第101回全国高校サッカー選手権
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