八千代のMF實川俊輔は中盤からの鋭い飛び出しでゴールを目指した(写真=多田哲平)

 桐光学園の鈴木勝大監督は『最後の決定戦は実力の差は関係なく、気持ちでどうにでもひっくり返る。強い気持ちを持ち続けたタフに戦おう』と言って選手を送り出したという。

 試合後、指揮官は「CKが続いたりしたなかでも、集中を切らさずに、焦れずに、落ち着いて対応していた。そのへんは成長を感じました」と選手を称える。

 また4年ぶりのプリンス復帰について「この位置に戻らなければいけないと思ってずっとやってきた。コロナ禍とか、ギリギリで優勝できなかった昨年の悔しさとか、そういういろんな蓄積があっての今日。一度前育に負けて失いかけましたけど、子どもたちが強い気持ちで乗り越えて、やり切ってくれたことに、指導者としては驚きを感じています」と喜びを口にした。

 一方で鈴木監督が「八千代さんもすごく粘り強かった」と言うように、八千代の戦いぶりも見応えがあった。惜しくも9年ぶりのプリンスリーグ復帰を逃したものの、攻守で健闘を見せた。とりわけ流動的にポジションを変えながら繰り出すパスワークはスムーズで、プレスの出足は素早かった。

 FW36納富惇也(3年)は懐の深いボールキープで前線の基準点となり、MF98實川俊輔(3年)とMF97榎本直紀(3年)は鋭い飛び出しで脅威となった。またGK福島が好セーブを見せれば、DF51岩田隼人(3年)とDF72山口大翔(3年)のCBコンビは体を張ってシュートをブロック。右SBのMF8吾妻蒼太(2年)、左SBのDF80髙橋祥吾(3年)は高精度のキックで何度もチャンスを演出した。

(文・写真=多田哲平)

▽高円宮杯 JFA U−18サッカーリーグ2022プリンスリーグ関東2部 プレーオフ(参入戦)
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