渋谷幕張のDF大野玄は体を張ってゴールを守った(写真＝多田哲平)

　後半に入っても、中央学院の攻勢は続いた。46分には高橋のスルーパスに抜け出したMF6川崎奈那斗(2年)が、飛び出してきたGKの位置を見て冷静に流し込んだ。

　また50分には、巧みなコンビネーションでペナルティエリア内に切り込んだMF14手塚柑汰(1年)が4点目をゲット。一気にリードを広げると、その後も切れ味鋭いドリブルで相手を翻弄し続け、相手にはほとんどチャンスを作らせないまま4-0で勝利。見事にブロック決勝へと駒を進めた。次戦では八千代松陰と対戦する。

　まさに圧勝と言える内容だったが、「この新人戦はどの試合も5得点以上して、しかも無失点で圧倒することを目指していた」という浜田寛之監督は「今回は4点で届かなかった」と厳しく評価。また被シュート数はわずかだったにもかかわらず「2本くらい打たれていた。それも甘い」と苦言を呈し、さらなる奮起への期待を選手に寄せた。

　かたや敗れた渋谷幕張はなかなか見せ場が作れなかったが、それでも最後まで声を張り続けて奮闘した。とりわけGK1松岡功起(2年)や、DF3鈴木泰人(2年)とDF4大野玄(2年)は「もっと早く寄せよう」とチームメイトを鼓舞し続けた。またMF10小高知也(2年)は自陣深くまで守りに戻るだけでなく、ボールを奪えばすかさず反撃に出ようと縦パスを供給して、攻撃の音頭をとった。

(文・写真＝多田哲平)