ゴール前の競り合い(写真=井芹貴志)

 しかし、「慶誠さんは足元もうまく、つなぎながらも裏を狙ってきたり、センターバックの間を通す縦パスも入れてくるので、そこはコーチングで消すことを意識した」とキャプテンの木實大翔が振り返るように、熊本商は前後の距離をコンパクトにして慶誠に時間とスペースを与えず、特に球際の厳しさを発揮して早いタイミングで潰し、フィニッシュへ持ち込ませない。そうして守備から自分たちのペースで時間を進めると、23分にも右へ展開して中央へ折り返す形から、相手のクリアに反応した高浜航大が足を伸ばして追加点。2-0で前半を折り返した。

 後半も、点を取らなければならない慶誠がボールを保持する時間を作り、60分前後にかけて右から形を作ったほか、64分には左の甲斐勇太と糸川のワンツーからビッグチャンスを迎える。しかしここは熊本商GK内野隆大が勇気を持って飛び出し防ぐと、前半同様に積極的な守備でスペースを消しながら、早い出足で引っ掛けてボールを奪い、前線の高浜に当てる形からサイドへ展開。そこからのクロスでは得点に結べなかったが、67分に得た右コーナーに「いいボールがくることは分かっていたので、相手より先に触ることを意識した」という高浜がドンピシャのタイミングで合わせて3点目を奪う。

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▽令和4年度熊本新人戦(新人選手権大会)
令和4年度熊本新人戦(新人選手権大会)