雪が舞う中、準決勝が開催(写真=井芹貴志)

 慶誠は終盤にかけて交代カードを切り、76分に右から眞弓恭輔が入れたボールのこぼれを甲斐が押し込んで1点を返したが、熊本商は最後まで守備の強度を緩めず、それ以上の得点は許さなかった。

 初優勝は逃した慶誠だが、近年力をつけて徐々に成果が出始めており、初の決勝進出と九州大会出場は来年度に向けて小さくない自信となるはずだ。

 熊本商は、時田監督が就任9年目での県制覇を果たした。

 「内容的にはもっと進化させなければいけないが、自分たちで今できることを精一杯やること、できないことにはチャレンジすることを求めてきて、選手たち自身が判断できるようになってきたことが、今年のチームの強み。同じ公立校である大津高校さんの活躍はもちろん刺激になっているし、大きな目標が身近にあることを幸せに感じるが、得ているものも大きいからこそ、『(熊本は)大津だけじゃないよ』ということも示したかった」と時田監督。目標としてきた大津に負けないプレー強度が新たな基準となり、守備をベースにして攻撃につなぐという意識がチームに浸透したことも、結果につながった要因と言える。

 九州大会に向け、キャプテンの木實は「球際や切り替えの部分をもっと洗練させ、ボールを保持する時間も長くして、ゴールを意識したプレーをしたい」と述べ、高校総体と選手権の「三冠」も視野に捉える。

(文・写真=井芹貴志)

▽令和4年度熊本新人戦(新人選手権大会)
令和4年度熊本新人戦(新人選手権大会)