博多は決勝進出ならず(写真=中倉一志)

 そんな博多の前に、東福岡からここまで見せていた迫力が消える。ボール保持率は圧倒的。ほとんどの時間帯を博多陣内で過ごす。だが博多の守備ブロックを崩せない。得意のサイドアタックもサイドに蓋をする博多の前に封じられた。先制点後はチャンスらしいチャンスを作れないままに時間だけが過ぎていく。そして迎えた56分。博多は相手陣内高い位置でボールを奪った苅尾智也(2年)がそのままドリブルで持ち込んでゴールネットを揺らした。博多にとっては値千金の同点ゴール。試合は振り出しに戻った。

 しかし、この1点で勢いが付いたのは、むしろ東福岡の方だった。それまでの停滞していた攻撃が嘘のように一気にスピードが上がる。そして同点ゴールから4分後、秋一星(2年)のクロスボールに途中出場の吉永七翔(2年)が頭から飛び込んで再びリードを奪うと、続く66分には阿部来紀が左サイドを突破して左足を一閃。鮮やかな弾道を描いたボールがゴールに吸い込まれた。最後はさすがの攻撃力を発揮して東福岡が決勝戦進出を決めた。

 決勝戦の相手は粘り強い守備でシード校を次々と倒してきた福大若葉。堅守に対して持ち前の攻撃力を発揮して大会3連覇を狙う。

(文・写真=中倉一志)

▽令和4年度福岡新人戦(新人選手権大会)
令和4年度福岡新人戦(新人選手権大会)