畝傍 vs 一条(写真=森田将義)

 10分ハーフの延長戦でも決着はつかず、勝負の行方はPK戦に委ねられたが、ここで活躍したのは畝傍の守護神GK1森井時生(2年)。読みを的中させて一条1人目のキックを防ぐと、7人目のキックもストップ。「僕らは1年生大会の決勝もPK戦で負けて、選手権の準決勝でもPK戦で負けていたので、苦手意識はあった。そうした中、今週はPKまである想定でやっていたので、PKの練習を沢山しました」。谷口監督の言葉通り、苦手を克服した畝傍が県の頂点に立った。

 畝傍は約半世紀ほど前にインターハイに3回出場している古豪であり、県内では奈良に続く、公立2番目の進学校。水曜日を除けば授業は7時間目まであり、練習後には夜10時まで塾に通う選手がほとんどという中で、サッカーに励んできた。これまでは学校のある橿原市の選手がほとんどだったが、2020年度の選手権予選でベスト4に入ってからは、奈良YMCA SC出身の岡田のように奈良県北部からもサッカーと勉強の両立を目指し、有力選手が入学するようになったという。

 近年は県外の強豪とも練習試合を組んできたが、相手はBチームであることも多かった。今大会を制して出場権を得た2月18日からの近畿新人大会はそうした強豪のAチームと真っ向勝負ができる格好のチャンス。岡田は「大阪の興國とか、テレビでみるようなチームとやってみたい。真剣勝負ができる近畿大会は楽しみ。普段の勉強で培っている集中力で勝ちたい」と意気込んだ。

(文・写真=森田将義)

▽令和4年度奈良新人戦(新人選手権大会)
令和4年度奈良新人戦(新人選手権大会)