2アシストの帝京MF18田中遥稀(写真=会田健司)

 インターハイであと一歩で日本一というところまで辿り着きながら、選手権で全国を逃した今年の帝京にとって残された試合は泣いても笑ってもこのプレミアプレーオフのみ。

 そんな負ければそこで高校サッカーが終了してしまうという状況の中、ビハインドを負った帝京イレブンはその逆境を物ともせず、相手を押し込むことで獲得した自分たちの武器であるセットプレーで見事に逆転してみせた。

 そしてプレミア昇格決定戦の相手は米子北。米子北は昨年のインターハイ1回戦、2-2からPK戦の末敗れた因縁の相手だ。その試合に出場していた選手も多いだけに、リベンジに燃える気持ちは強い。

 対して悲願のプレミア昇格に向け初めてのプレーオフに挑んだ興國。左SBからゲームを作れる古瀬夢叶がケガで離脱した影響もあり、この日は自慢のビルドアップも鳴りを潜めた。しかしケガで離脱中だったキャプテンの宇田が強硬出場し、いきなり強度の高い試合で110分出場するなど、選手たちはプレミア昇格への気持ちを前面に出して戦い抜いた。

 ハイレベルなチーム同士が全力でぶつかり合い、手に汗握る試合を展開。1回戦は平日開催ということもあり観客数が少ない中での試合となったが、この試合が多くの方の目に触れない事を残念に思うほどの好ゲームであった。

(文・写真=会田健司)

▽高円宮杯U-18サッカーリーグ2022プレミアリーグプレーオフ(参入戦)
高円宮杯U-18サッカーリーグ2022プレミアリーグプレーオフ(参入戦)