帝京 vs モンテディオ山形ユース(写真=佐藤亮太)

 

 モンテディオ(山の神)の名の通りまさに山のような堅守だった。しかも、いわゆるベタ引きではない。FW横山を中心に高い個人技を有し、ドリブルやパスと多彩な攻めを仕掛けてくる帝京に対し、前に追いやるような速くて強い守備が功を奏した。

 これをべースに山形ユースは縦に速いサッカーを展開。しかも個人技を生かし単騎で駆けたわけではない。特に先制点は流れるようなパスからのゴールだった。また5得点はいずれも違う選手が決めていることも大きい。

 「ゲームモデルは誰が試合に出てもやることが統一している。ひとりに依存せず、やっていた結果」と山形ユース・内山俊彦監督は口にする。

 5得点となれば、とかくシュート数が多くなるが、前後半あわせて7本と効率良く得点。狙い通りの攻撃ができたといえる。

 帝京戦では「THE堅守速攻」だった。しかし目指すものは違うところにある。

 「様々な相手がいるなかできょうはそうなってしまった。もう少しボールを握って攻撃の時間を増やしたかった。サッカーは相手があることだが、守備の時は守備をしなければならない。(攻守とも)全部、できるようになりたい」と内山監督は語った。

 土地柄、山形は関東圏に比べ、サッカーの競技人口の少なさ、それに伴うチーム数の少なさからなかなか練習試合を組めない、難しい環境にある。

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▽第32回イギョラ杯国際親善ユースサッカー
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