これができたのも先月16日からの遠征合宿が大きい。各大会に出場し、時に大学生と練習試合をしながら、様々なタイプのチームと対戦し磨いてきたからこそ。

 加えると、きょうの勝利にはちょっとした勝負のアヤがあった。MF11柴田は北海道コンサドーレ札幌U‐15出身。その年代でMF11柴田はいまの横浜FMユースのメンバーと対戦したことがあるそうで実際、マッチアップした経験を活かし、相手の特長や弱点を独自に分析。そのことをチームメイトに伝えたそうだ。これが少なからず完封勝利につながった。

 試合終了のホイッスルが鳴り、プレミアリーグ初勝利の瞬間、富居監督にカメラのレンズを向けると、喜ぶわけでもなく、淡々とした表情だった。

 「まあ、(試合は)続くので・・・」と完勝に浸ってはいなかった。

 勝利の余韻に酔うことなく、旭川実イレブンは気ぜわしく会場をあとにした。聞けば、チームはフェリーに乗って、あすの夕方に到着する予定とのことだ。

 土地柄、練習相手を探すにもひと苦労な環境で約2週間の遠征、そしてプレミアリーグ初勝利は今後の力になるはずだ。

(文・写真=佐藤亮太)

▽高円宮杯 JFA U−18サッカープレミアリーグ2023 EAST
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