横浜F・マリノスユース vs 旭川実(写真=佐藤亮太)

 そのなか、わずかなチャンスをモノにした。いわば、してやったりの勝利だ。とはいえ、勝利は偶然が重なったものではない。

 富居監督が「(横浜FMユースが)前に来てくれ、サイドから上がってきてくれた。相手のストロングポイントが逆にウィークポイントになった」と話すように、狙いのひとつは裏のスペースだった。たしかに横浜FMユースの厚みのある攻めは目立ったが、決定機の数(6分、22分、67分の3回)、その質ともに旭川実が上だった。

 90分通してみれば、旭川実の堅守速攻がハマったゲームと思えるが、実際のサッカーはその真逆といえる。

 北海道内ではボールを握り続け、攻めに攻めるチーム。しかし、きょうのように攻められっぱなしになるなど、いつもしているサッカーを逆にやられてしまう、難しい試合だった。

 たしかに押し込められたが攻めの形は変わらない。

 「本当はもう2つ、3つ、攻撃でつなぎかった」と富居監督は注文をつけたが、決して、よそ行きのサッカーをしなかった。そのことが大きかった。

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