旭川実イレブン

 試合が動いたのは、後半14分だった。青森山田の右ウイングバックMF杉本英誉が中央に入れたボールを旭川実のGK越後紀一が弾くも、こぼれ球をFW米谷壮史が右足で押し込む。15分後には、MF川原良介の左からの速いクロスを、途中出場のFW津島巧がヘッドで合わせて2点目。同34分には、DF山本虎主将の左からの大きく正確なサイドチェンジのボールを、MF杉本が足下におさめて、そのままドリブルし、左足で豪快にゴール左上に叩き込んだ。「前半は、相手の守備がかなり集結し、ボールサイドに2枚3枚いることがありました。そうなれば、必ず空いている場所があります。(サイドチェンジを使うことは)ハーフタイムで厳しく言いました」と正木監督。後半に入って、ピッチを広く使い、サイドから崩す戦略に切り替えた青森山田が、アウェーで勝ち点3を上積みした。

 大粒の雨が降りしきる中、ピッチを取り囲んだサポーターの声援に結果で応えたかった旭川実だが、11年ぶり2度目のプレミアリーグのホーム初戦で、白星をつかむことはできなかった。それでも、主将のDF庄子羽琉は、「プレミアリーグの舞台で戦わせてもらって、いろんな強い相手から吸収するものがあります。そういったものを日々吸収して、どんどんどんどんチームが良くなっている状況。青森山田には、アウェーでまた違う姿を見せます」と、発展途上であり、伸びしろがあることを強調した。

 旭川実の当面の目標は、昨季のプレミアリーグ残留ラインである勝ち点24。開幕戦で昨季EAST2位の横浜Fマリノスユースを下したあとの2連敗だが「もうちょっと何かがつながれば、好転していく要素はある」と富居徹雄監督も前を向いた。 

▽高円宮杯 JFA U−18サッカープレミアリーグ2023 EAST
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