川崎フロンターレU-18 vs 大宮アルディージャU18(写真=佐藤亮太)

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 これは宿命といっていいかもしれない。

 川崎といえば個人技が高く、どこからでも、いくらでも決められる攻撃的なチーム。それだけに大宮のような堅守速攻のチームの攻略には手を焼く。

 押し込んでいるが攻めきれず、焦れていくうちにミスからカウンターを受け、いつの間にか失点する。一方、相手のカウンターを恐れるあまり、横パス、バックパスに終始し、消極的なプレーが目立つ。このような展開はカテゴリーに限らず、ありがちだ。

 しかし、この日の川崎はそうした手抜かりは一切なかった。

 「自分たちの良さを出すにはゴールに向かう姿勢を絶対に忘れてはいけない」と川崎・長橋康弘監督。

 そこには今夏、日本クラブユースサッカー選手権でノックアウトステージ1回戦・FC東京U-18に負けた反省が生かされている。

 「行けるところでいけない。蹴れていない。運べていない。外せてない。これはダメだなと(長橋監督)」この1か月、見直した成果が完封勝利につながった。

 さらに聞けば、大宮戦のスタメンは2得点のFW髙橋をはじめ、ケガ明けの復帰戦となった選手がいるなどメンバーが入れ替わっていた。

 それでも3-0の完封勝利ができた要因にはチームの合言葉がある。

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