浦和レッドダイヤモンズユースvs矢板中央(写真=佐藤亮太)

 7節終了時、勝点「16」で首位の浦和Yと勝点「3」で最下位の矢板中央。順位を見れば、浦和Yの勝利と見がちだが、そうならないのがサッカーの怖さであり、わからなさ。

 今回の同点劇は両チーム、それぞれの事情が相まったものだった。

 「きょうはよく引き分けた。チャンスがあれば、勝ちたかった」と矢板中央・髙橋健二監督。

 「前半戦、調子が悪く、心配なところはあった」と話したが、前節から今節までの約1か月間、自信を立て直すキッカケがあった。今月17日に行われたインターハイ栃木県予選で矢板中央が5年連続12回目の優勝を遂げたこと。その余勢を駆って首位・浦和Y に対して、どれくらいできるかと腕まくりだったこと。さらに2得点決めたMF 7井上拓実の存在。髙橋監督によれば、長くケガで離れていた井上にとって今節が復帰戦となった。主将・井上の活躍に「キャプテンの力を発揮して、引きわけに貢献してくれた」と目を細めた。

 チームの上げ潮ムードがそのまま試合に投影され、執拗なプレスと激しい上下運動に負けないスタミナで攻め立てた。勝点「1」をもぎとった矢板中央に対して勝点「2」を失った浦和Y 。「3点取って、3失点はダメですね」と反省しきりの浦和Y萩村滋則監督。

浦和レッドダイヤモンズユースvs矢板中央(写真=佐藤亮太)

 勝ち試合をみすみす逃してしまったターニングポイントが少なくとも2つあった。ひとつめは前半。首尾よく、開始6分で先制したまでは良かったが、攻勢の手を緩めてしまった。

 「選手のなかでは状況を考えて、ボールを動かす方に重きを置いたかもしれない」

 「相手の状況を見ることができる良さはあるが、悪い言い方をすれば、結果、楽をしてしまった。暑さがあったと思うが、前半、1-0でいいやともしかするとピッチのなかで判断したかもしれない(ともに萩村監督)」

 そこを矢板中央に突かれてしまい、終盤、あわやというシーンを作られた。これではまずいとハーフタイムには、運動量を増やすこと、相手の背後を突くことを伝えた。選手は忠実に実行した結果、53分、セットプレーで追加点。一気に浦和Yペースとなったはずだが、そうはいかなかった。

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