2ゴールにロングスローで3点目を演出と大活躍をみせた金光大阪FW11上田大翔(写真=会田健司)
勝利した金光大阪はこれで2勝1分けの3戦無敗と好スタート。しかし岩松哲也監督は「まだまだイージーミスも多いし、もうちょっと質を高めないと」と敢えて課題を口にした。「選手たちが自立していない」と試合の流れを読み、「落ち着かせる役目を担う選手がいない」と足りていない部分を冷静に振り返った。
例年通りCKとロングスローからゴールを奪い、今年もセットプレーから点を取れるチームになっているが、今年の金光大阪はひと味違う。「ボールを握りながら、コンビネーションも使えるメンバー」と指揮官も手応えを口にするように、足元の技術も高く、自分たちで試合の主導権を握れるメンバーが揃う。それだけに厳しい言葉は期待の裏返しでもある。
この試合では「本来は彼がエース」と岩松監督も期待を寄せるFW16上田琥太郎(3年)が途中出場し、ケガからの戦列復帰も果たした。この日2ゴールの上田大も「ミスが続けばスタメンも替わってしまう」と危機感を募らせる程チーム内のポジション争いも熾烈だ。
「落ち着いてきちんとやれば出来る子たち」とは岩松監督。昨年は3位とあと一歩のところで昇格を逃したが、指揮官は「今年は絶対に上がります!」と言い切る。至上命題の1部昇格に辿り着くためにも、「今回は先制されて逆転しましたが、色んなシチュエーションを経験してステップアップしていけるのがリーグ戦の良いところ」とポテンシャルの高いチームがこのリーグ戦を通してどれだけ成長できるかが大事になってくる。そういう意味でもこの逆転勝利はチームの大きな財産になりそうだ。
一方、開幕3連敗と初のプリンスに苦しむ桃山学院。ボランチなどの要所でケガ人が多く、持ち前のパスサッカーが影を潜めている。それでもエースの西条は3戦3発と期待通りの働きをみせているだけに、ケガ人が戻ってくるまで持ちこたえ、少しでも勝ち点を積み上げていきたいところだ。
(文・写真=会田健司)
▽高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ 2023 関西2部
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