アビスパ福岡 U-18 vs 長崎総科大附(写真= 中倉一志)

 対する長崎総科大附は、まずは前線のターゲットである新垣太一(3年)にロングボールを送るのが攻撃の始まり。高い位置で起点を作りセカンドボールを回収して相手ゴールに迫る。自陣からボールをつなぐことはほとんどなく見事なまでに徹底されている。だが、アビスパU-18は最終ラインを統率する山下湊太郎(3年)を中心に激しく囲い込んで新垣太一の自由を奪った。

 そしてアビスパU-18の先制点は19分。前線でボールを受けた前田一翔が1、2人とかわして右足でゴール左隅に流し込んだ。両チームが激しく球際でぶつかり合う試合はその後も続いたが試合の、リズムをつかんでいたのはアビスパU-18。前半をそのまま折り返した。

 ところが後半に入ると一気に長崎総科大附が試合の主導権を奪い返す。戦い方は前半同様にアビスパU-18の背後にロングボールを送り込み、セカンドボールを回収してはシンプルに前へ、前へと圧力をかけるというものだが、その徹底ぶりにアビスパU-18のラインが下がりはじめ、やがてチーム全体が前への力を失った。試合は一転して長崎総科大附のハーフコートゲームのようになっていく。

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