武南のMF松原史季は再三のチャンスメイクで勝利に貢献(写真=多田哲平)

 34分には、左サイド(埼玉平成の右サイド)を崩されると、FW13納谷嵩(3年)のパスから、ゴール前に入り込んでいたMF8佐藤快琉(2年)に押し込まれて先制点を献上する。武南は1点ビハインドで試合を折り返すことになった。

 それでも武南の攻撃にダイナミズムが生まれたのは後半だ。ハーフタイムに選手同士でミーティングをして打開策を話し合ったという。それを踏まえて内野慎一郎監督が打った一手が奏功する。

 右サイドにフィジカルに優れるFW18文元一稀(3年)とスピードが光るMF17飯野健太(3年)を投入すると、埼玉平成の対応が遅れ出した。さらに選手の配置を入れ替えたことで、相手の守備陣の混乱を招き、次第に左サイドのMF10松原史季(3年)にボールが集まるようになる。そして武南は松原の打開力を活かして度々ゴールに迫っていく。

 48分、左サイドから切り込んだ文元からクロスが上がると、FW9戸上和貴(3年)が滑り込んでゴールネットを揺らす。ついに武南はゲームを振り出しに戻した。

 その後は埼玉平成の集中した守備をこじ開けられなかったが、それでも武南は主導権を握り続けた。56分には松原のクロスから決定的なチャンスを作り、61分にはMF8髙橋秀太(3年)のシュートで相手ゴールを脅かす。

 結局後半に追加点を奪えず試合は延長戦に突入し、延長前半も一進一退の攻防に。

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