東海大相模のFW櫛田和夢(11番)は前半だけでハットトリックの活躍(写真=多田哲平)

 さらに1点差とした湘南工大附は、その後も東海大相模のカウンターを警戒しつつ攻勢を強めていく。

 そして終了間際の80+3分、左CKからのこぼれ球に途中出場のDF13國廣凛太郎(3年)が技ありボレー。これがゴールに突き刺さり、土壇場で湘南工大附は同点に追いついてみせた。

 ギリギリで振り出しに戻ったゲームはその後も激闘に。3-3で突入した延長戦では互いに攻め合うも勝ち越し点は生まれず、PK戦では先攻の湘南工大附、後攻の東海大相模ともに5人目までが成功と、どちらも譲らない。

 死力を尽くした戦いに終止符が打たれたのは6人目だった。先攻の湘南工大附が決めると、後攻の東海大相模は失敗。湘南工大附がトータル6-5でPK戦を制し、関東大会切符を手にすることになった。湘南工大附の関東大会への出場は、Bグループ制覇を果たした2019年度大会ぶりとなる。

 接戦をものにした湘南工大附の室井監督は「代表決定戦はこれで4回連続ですけど、去年経験しているのは中山と森田くらい。彼らも色々なものが分からないなかで、きょうは粘れたのは自信になる」と手応えを口にした。

 一方で東海大相模は勝利を目前にしながら悔しい敗戦を喫したが、それでも櫛田の抜け出しだけでなく、沖本の攻守に渡る貢献、FW17小林正樹(2年)の突破力も光った。

(文・写真=多田哲平)

▽令和5年度関東高校サッカー大会神奈川予選
令和5年度関東高校サッカー大会神奈川予選