ゴール前の競り合い(写真=河野正)

 背番号10を付ける主将の鈴木が、コンビを組むCB山城翔也(3年)と落ち着いてパスを交わす様子は、安定感のほかにも自信がみなぎっていた。これが実践学園の特長でもあるそうだ。

 加えて、今季は新たな試みにも着手している。内田監督は「守りをしっかり整備するのがうちの伝統ですが、今年はチャレンジすることに長い時間を掛けて来て、その成果が少しずつ出てきたところです」と話し、「攻撃面で特長のある選手がいますから、持ち前の守備力に加え彼らの長所を生かした攻撃力も伸ばしていく考えです」と説明した。

 それが1トップの小嵐と関根、松田の両ウインガーだ。特に関根はドルブルの練習を熱心にこなし、それが試合で発揮できるようになったという。

 悪い時間帯の失点で、流れが悪くなることも予想されたが、主将の鈴木はきっぱり否定する。「都予選の1、2回戦は先制されたんですが、しっかり逆転していたので特に焦りはありませんでした」と経験値がものをいったと話す。

 昨年から守備の要人となった187センチCBは、「自分たちはチャレンジャーなので、どこが相手でも挑戦する気持ちを忘れずに戦うだけ。東京ではヘッドで負けませんでしたが、関東でもヘディングは通用したので、今後の自信になります」と笑顔が絶えなかった。

                      

(文・写真=河野正)

▽令和5年度関東高校サッカー大会
令和5年度関東高校サッカー大会