清水桜が丘もMF相川郁也のゴールで先制し、勝利まであと一歩に迫った(写真＝多田哲平)

　さらに35分には高田が、36分にはMF14森﨑澄晴(3年)が、37分には福地が立て続けに強烈なミドルシュートを見舞う。しかし、どれも枠を外れ、なかなかゴールにはつながらない。

　結局前半をノーゴールで終えると、後半もゴールが遠い。クロスを入れても清水桜が丘のDF4木村海惺(3年)とDF5藤田匠人(3年)を中心とした守備陣にはね返されていった。

　すると64分にカウンターで一瞬の隙を突かれて先制点を献上。右サイド(清水桜が丘の左サイド)からDF16五十嵐洋斗(3年)にクロスを許すと、ファーサイドを駆け上がっていたMF7相川郁也(3年)にダイレクトで押し込まれた。

　主導権を握りながらもリードを許した静岡学園はそこから攻勢を強めて必死に1点を取りに行く。果敢な姿勢が実ったのは80＋3分。CBのDF24水野遡(3年)が後方からロングフィードを放つと、神田が巧みな胸トラップで反転し、渾身のシュートを叩き込んだ。川口修監督が「高校生離れしたさすがのシュートだった」と称えた高度なゴールだった。

　エースのゴールで絶体絶命の窮地を脱した静岡学園は延長戦に入って勢いを増した。延長開始からわずか2分、ペナルティエリア内でボールを受けた神田がDF複数人をかわして最後は右足を強振。鋭いシュートを突き刺して、ついに逆転ゴールをもたらした。

【次のページ】 決勝　静岡学園 vs 清水桜が丘（4）