ルーテル学院vs大津(写真=井芹貴志)

 サイドから深い位置まで運ぶものの、前半に比べて決定的な形は少なくなっていた大津だが、62分、稲田の仕掛けから右コーナーキックを得ると、相手クリアボールを拾った古川のクロスが相手のオウンゴールを誘って追加点。65分には左から持ち込んだ古川がボックス内で倒されて得たPKを碇が決めて4−0とし、さらにアディショナルタイムの70+5分、古川に代わって左に入っていた德永雄斗が同じく交代出場の中村健之介のリターンを左足で決め、力の差を示す格好で大勝した。

 「選手たちも頑張って準々決勝、準決勝の壁を越えてここまで来たが、連戦で大津相手に戦うとこういう結果になる。ペースをつかめた時間もあったが、それを開始15、20分までやれるようにならないといけない」とルーテル学院の小野監督。0−2で折り返したまでは想定した範囲内だったが、「ボールの奪いどころが中盤より後ろになってしまって、そこから前に送ってもはね返されてセカンドを拾われ、また攻められる展開になってしまった。シュートまで行ける場面も少なく、シュートまで行っても力がないのが現状」と指摘する。一方で、「大津の落ちない運動量、ボールを奪われない技術を味わってみて、その中でどうするか。次は奪えるように、そして守備の時間を短くできるようにチャレンジしていきたい」と、選手権に向けての課題に挑む。

 「準々決勝の国府戦、準決勝の慶誠戦と、得点を奪えない時間が多かったので、前で点を取らないといけないと思っていた」と話すのは、大津の主将・碇。5連覇で夏の全国出場を決めたが、「前線の連動やコンビネーションをもっと高めないといけない」と課題に言及。まずは一昨年、昨年と越えられなかった準々決勝の壁を破り、悲願の全国制覇へ1歩でも近づけるか。

(文・写真=井芹貴志)

▽令和5年度全国高校サッカーインターハイ(総体)熊本予選
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