武蔵越生 vs 浦和実(写真=河野正)
逸機の連続だったが、後半3分に右CKから相手DFのハンドの反則で再びPKを得ると、今度は黒沢が右隅にきっちり流し込んだ。8分には佐藤の左クロスを黒沢が連続ゴール。19分の4点目は、右SB原田彪雅(2年)の右からの最終パスを大沢が蹴り込んで駄目を押した。
浦和実は今大会の南部支部予選代表決定戦で川口青陵に延長戦の末、3-2で競り勝って出場。4-3-2-1の陣形で臨み、小杉大優や佐藤豊(ともに3年)の両MFが攻撃の起点となったが、相手の厳しいチェックになかなか複数のパスがつながらず、決定的なシーンはほとんど作れなかった。後半21分に逆襲・速攻から小杉がフリーで絶好のシュートを放ったが、枠を捕らえ切れず、シュート4本の完敗だった。
関東高校大会予選で武蔵越生は初戦の2回戦で埼玉平成に惜敗しただけに、1回戦に快勝しひと息ついた井上監督だが、表情は冴えない。「決定的なシュートを何度も外したことも課題ですが、今年のチームはCBに不安があります。GKは前に出てきてよくやっているが、守備はまだ不安定なんです」と漏らした。
指揮官はさらにチーム全体にアグレッシブさを求める。「内弁慶な選手が多く、いいものを持っているのにうまく表現できないし、試合でも練習でもほとんどしゃべりませんから」と苦笑い。「細田学園との2回戦は今日ほどボールを持てないと思うので、1点の重さを感じながら戦ってくれることでしょう」と期待した。
昨年からの経験者である2得点の黒沢は、「ミスが多くてつなげなかった今日の反省を生かし、明日は3トップの特長を生かして勝ちたい」と意気込んだ。
(文・写真=河野正)
▽令和5年度全国高校サッカーインターハイ(総体)埼玉予選
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