東京朝鮮中高級学校のMFリュ・サンウは何度も鋭い突破を披露(写真=多田哲平)

 その後は互いに攻め合うも追加点は生まれず。延長戦に入ってもどちらも守備の集中を切らさず追加点を与えない。

 結局勝負はPK戦に委ねられることに。PK戦では4人ずつが決めてサドンデスに突入。雌雄が決したのは7人目。先攻・東京朝高のキックをGK1大野柊真(3年)が阻止すると、キッカーのDF15阿部楓太(3年)が成功しトータル6-5で長い戦いに終止符を打った。大野は2本のセーブでPK戦勝利の立役者となった。

 昨年度の選手権予選(都大会3回戦)でも対峙し、その時は0-3で敗れていた明星学園は見事にリベンジ達成。さらに初の都ベスト8に辿り着いた。

 細井卓磨監督は「うちがベスト8に来れるなんて信じられない。1番は選手たちが一生懸命頑張ってくれた。褒めてあげたいです。あと、このチームがあるのは、いろんな方の助けがあるから。有馬(良輔)先生や大石(文弥)コーチなどのスタッフのおかげだし、いろんな学校の先生にも相談に乗ってもらった。感謝を忘れてはいけないし、そういうものを全部背負いながら戦わせてもらった」と喜びを口にして胸を張った。

 勝利した明星学園はベスト8進出。準々決勝で修徳と対戦する。

 一方で東京朝高は敗れたとはいえ好勝負を演じた。特にサイドアタックは強烈で、MF11リュ・サンウ(3年)とMF8パク・チソン(3年)の突破力、MF10キム・ヒョンジョン(3年)のテクニックが光った。

(文・写真=多田哲平)

▽令和5年度全国高校サッカーインターハイ(総体)東京予選
令和5年度全国高校サッカーインターハイ(総体)東京予選